自分が大相撲が好きになったきっかけは忘れもしません。千代の富士が昭和63年、53連勝を記録した際の50連勝目の対小錦戦。体格差をものともしない相撲で小錦を土俵に転がした相撲。その九重親方が亡くなりました。まだ61歳。本当にショックです。
自分が好きな三番を。
◯昭和56年初場所優勝決定戦
初日から14連勝した千代の富士が、千秋楽一敗で追いかけていた北の湖につり出しで敗れました。しかしそのとき膝から崩れる北の湖を見て、優勝決定戦ではそれを生かした上手出し投げで初優勝。今でもその一番が大相撲最高視聴率の52.2%で破られていません。
◯昭和60年夏場所13日目
対大乃国戦。大乃国はまだ関脇ですが、躍進してきたとき。立ち会いすぐに左上手を引いて十分な体制に。土俵際に追いこまれる絶体絶命のピンチでしたが、強靭な足腰で残るんです。最後ももう一度土俵際に追い詰められるも逆転の上手投げ。とにかく千代の富士の足腰の強さを伺い知れる一番です。
◯昭和60年名古屋場所12日目
同じく対大乃国。場所後大関になる関脇に対して、相手が左上手を取りにくるときのここしかないというタイミングでの下手ひねり。美しいの一言です。千代の富士のスピードと技が光る一番です。
まだまだ、やり残したことがたくさんあったはず。本当に残念でなりません。ご冥福をお祈りいたします。